今年2025年1月28日に韓国で発生したモバイルバッテリーが原因とみられるLCC「エアプサン」の旅客機火災。
同事故を受けて韓国籍の航空会社では機内持ち込みモバイルバッテリーに関して、新たなルールが設けられ2025年3月1日から施行となりました。
そしてその動きは東南アジアの国々でも広がっていくことに。
今回の記事は、世界的にルール変更となるのも時間の問題と見られる飛行機内でのモバイルバッテリーの新ルールに関する情報をシェアします。
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航空会社別モバイルバッテリーの新たなルール
3月1日からモバイルバッテリーの新ルールが適用となったのは韓国の航空会社に加え、台湾の主要航空会社。
その後、3月15日からタイ国際航空、4月1日からはシンガポール航空グループ(LCCのスクートを含む)にマレーシア航空と広がりをみせています。
今後新ルール適用となる航空会社を利用する際、何を注意すべきなのかがポイントとなるので、各航空会社のルールを紹介します。
タイ国際航空とシンガポール航空グループ

最もシンプルなルールとなっているのは上記航空会社で、新ルールにより禁じられるのは以下の2点。
*モバイルバッテリーを使った充電(スマートフォンなどの充電)禁止
*機内備え付きのUSBポートなどからモバイルバッテリーへの充電禁止
台湾の航空会社とマレーシア航空

こちらは先ほどよりも少し厳しくなり、モバイルバッテリーからの充電やモバイルバッテリーへの充電が禁止と言う点に加え、もう1つの制約が加わり以下の通り。
*頭上の荷物棚(オーバーヘッドコンパートメント)へのモバイルバッテリーの保管禁止
上記ルールは、目の届かない場所で発火した場合に発見が遅れて大事になる恐れを考慮してのことです。
モバイルバッテリーは座席正面のシートポケットや前の座席下、または手元で保管するようにとのこと。
実はこのルール、台湾の航空会社によっては設けていない航空会社もあるのですが、最も厳しいルールを覚えておけば全てに対応できるので、敢えて上記のような記載にしました。
マレーシア航空ではモバイルバッテリーの意図しない起動を防ぐために、保護ポーチに保管とも求めています。
韓国の航空会社

実際に火災事故が発生した韓国は、最も厳しいルールが設けられています。
機内での使用や充電禁止、手元での保管に加え、ショートして発火するのを防ぐために絶縁対策を求められます(航空会社により程度の差はありますが)。
具体的には絶縁シールを貼る、もしくは通電性がないプラスティック製のジップロックなどに入れる必要があるとのこと(複数個あれば1つ1つ分けて入れる)。
上記の点に加え、個人的にはバッテリー内蔵ノートパソコンやタブレットの保管場所が気になり、大韓航空に問い合わせをしてみました。
結果として、ノートパソコンやタブレットも手荷物棚での保管が禁止とのこと。
という事は、僕の場合はノートパソコンにタブレット、そしてモバイルバッテリーなど座席正面のポケットなどに保管することになりますが、トイレに行く時にさすがに全て持って行くわけにもいかないので不安になってしまいます。
予備バッテリーなどの持ち込み可能な個数に制限が

以前に以下の記事にて、100Wh以下の予備バッテリーなど個数制限なしとお伝えしました。
なのですが、今回の件により個数制限を課す航空会社が増えています。
今回例を挙げた航空会社で言えば、台湾の航空会社、タイ国際航空、シンガポール航空グループ、マレーシア航空は100Wh以下が最大20個まで。
僕のようにアクションカメラ、ドローン、ハンディカム用などと様々な予備バッテリーがあろうと、20個まで許容してくれるならば全く問題ありません。
問題があるのは最も厳しい韓国で、100Wh以下が最大5個までとなっていて、医療目的など特別な理由がなければ6個以上は承認されないとのこと。
個人的にはかなり厳しく感じ、韓国の航空会社の利用が難しくなる方も少なくないのではと言う印象です。
一点だけ朗報として、僕の場合は前述した通りノートパソコンやタブレットもあり、こちらも1個としてカウントされるのかと思い、大韓航空に問い合わせると違いました。
ノートパソコンなどはバッテリー装着機器で5個まで、アクションカメラの予備バッテリーなど補助リチウムバッテリーは5個までと分けられているとのことです。
まとめ

世界的には韓国ほど厳しくなくても、モバイルバッテリーの機内の使用禁止の方向には向かって行くと思われます。
いつ日本の航空会社が同様の対応を取っても不思議ではないので、頭の片隅にでも入れておいた方が良い情報だと思います。
ちなみに、機内でモバイルバッテリーは使えなくなりますが、座席周辺に電源コンセントもしくはUSBポートを備えている機体も多々あるので、必ずしも充電ができなくなるというわけではありません。
機内のUSBポートの出力はパワー不足な事が多いですが…。
最後になりますが、モバイルバッテリーは英語では「Portable Power Bank」と表現される事が多いので覚えておきましょう。