インドネシアのジャカルタにあるスカルノハッタ国際空港に着いたのは6月20日。
60日に及ぶインドネシア滞在最終日で、ビザが切れるタイミングで向かうはマレーシアのクアラルンプール。
慣れ親しんだインドネシアと言う事で、これはヤバいというレベルのトラブルもなく無事に終わりを迎えるはずでした。
フライト時刻は22:50、搭乗開始時刻は22:00。
エアアジアの搭乗時刻はいつも盛り過ぎなので、21:50頃に出国審査へ。
そこで引っ掛かって別室送りとなり、日本で約30万円ほどの現金を今すぐ払わないと、出国できないし航空券はキャンセルすると責め立てられる事になるとは予想だにしていなかった。。。
今回の記事は、僕が実際にインドネシアのイミグレで経験した過去最悪な体験談をシェアします。
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ジャカルタのスカルノハッタ国際空港までの流れ
この日はジャカルタからかなり離れたサーフエリア(タートルズ)から空港まで移動で、渋滞によりけりで移動時間は全く読めない。
行きは6時間で来れたけど、去年の帰りは9時間かかったし。
当初のエアアジアの予定は21:15発のスケジュールだったので、余裕を持ってタートルズ出発は午前10時。
そしてタートルズ出発直前にエアアジアからのメッセージでフライトが1時間半ほど遅延することが判明。
とは言ってもタクシーチャーターは手配済みでドライバーは早く仕事を終えたいので予定通りスタートし、結局、7時間半ほどかかり17:30に空港に到着したので、フライト出発までは約5時間。
サーフボードなどの荷物を預けて自由の身に
出発3時間前になりチェックインが可能になると早々に荷物を預け、僕のターミナル2Fにはプライオリティパスが使えるラウンジが休業中なのでターミナル3へ。
ターミナル間の移動は無料のモノレールのようなスカイトレインを使い、待ち時間はあるものの乗れば隣のターミナル3までは3〜4分ほど。
ここではバーガーキングに向かい、久しぶりのボリュームたっぷりなバーガーは美味しかった。
予定では、僕が利用するターミナル2Fはラウンジがないので、バーキンで搭乗までの時間を潰そうと思ってたけど、イートインスペースがあまりに細長い作りなので21時前と早めに戻ろうとすると、これが功を奏した。
ターミナル移動でスカイトレインは早めに終了
行きで利用したスカイトレインはトータルで10分弱だったので、そのくらいの時間を予想して乗り場へ移動。
でしたが、乗り場付近に行くと営業時間が21時までとの嫌な記載があり(早過ぎない…)、すでに時刻は21時直前。
到着すると利用客とスタッフの会話が聞こえ、インドネシア語は分からないけど単語を拾い「スカイトレインは終わったけど、シャトルバスでターミナル移動できる」と聞こえたので、他の利用客についていき、無事にシャトルバスに乗車。
シャトルバスはまずはターミナル1へ行き、その後は暗く殺風景な駐車場で停車すると、多くの乗客が降りていくことに。
どうなっているのか全く分からず、ドライバーに聞きに行っても英語は全く通じず、真後ろの席にいたインドネシア人にインドネシア語と英語のミックスで話を聞くと「ターミナル2はまだだから、このまま乗ってて」と言われ一安心。
そしてバスはスカイトレインの3倍ほどの時間が掛かったものの無事にターミナル2に着き(焦ったけど)、チェックインは済ませていたので21時50分頃に悪夢の始まりとなる出国審査へ。
出国審査でのやり取り
まずは僕の今回のインドネシア滞在のステータスを説明しておくと、電子版となるe-VOA(Visa on Arrival)と言うオンライン申請の到着ビザと呼ばれるVOA(最大30日滞在可能)で入国し、入国数日後にオンラインで追加30日滞在申請をして計60日滞在可能としました。
電子VOAの申請は日本国籍者は可能であり、オンラインでの延長手続きも可能だとインドネシアのイミグレーションのサイトで確認した上でのストーリーになります。
僕の順番になって出国ブースに向かうと「e-VOA」延長手続きのPDFファイルを提出するように言われました。
パスポートに貼られているシールは最長30日滞在可能な内容であり(入国時に貼られたもの)、僕は60日滞在したためです。
基本的に提出を求められるPDFファイルはメールで送られてくるので、メールを確認してもそんなものは無い。
僕は重要なメールは最初に目を通した時にフラグを立てるので、削除した可能性は極めて低いもののあり得るかもしれない。
そこで、インドネシア政府によるビザの延長代金を受領したインボイス添付のメールがあったので見せると、PDFファイルを見せろの一点張りで埒が明かない。
e-VOA申請時にイミグレサイトにアカウントを作っているので、そこから自分のアカウント内のファイルをチェックしても出てこない。
そこで、ビザ延長代を支払った証拠はあり(メールには色々な所と紐付けた多数の番号記載もあり)、データ照合したり入国時のビザはあるのだから計算すれば、僕がいつまでインドネシアに滞在可能かは一瞬で分かるでしょと言ってもダメ。
そしてエアアジアの搭乗予定時間ちょうど辺りに、イミグレの別室送りとなることに。
別室送りは過去にロサンゼルスでも経験していて、あの時は理由が明白だったけど今回は完全に理不尽…。
ちなみに、出国審査官が僕を止めた理由は、e-VOAの延長をしていないために30日間の不法滞在。
イミグレの別室送り
別室送りになった時点で、予定していたフライトには乗れないだろうと覚悟を決めました。
で、別室の責任者らしき人と話すと、僕が出国できなかった理由は出国審査官が話していたのと違う理由。
僕はインドネシアへ飛んでくる前に日本でe-VOAを取得しましたが、e-VOAを取得できるのはインドネシア国内からだけだから有効ではないと意味不明な事を言われました。
ならば、「有効ではないビザを使って僕がインドネシアの入国審査を通過できた理由は?」と聞くと「Indonesian’s rude(インドネシア人は適当)」と言われました(お前らの同僚だろ・・・)。
そして相手の言い分として、僕が30日間不法滞在をしたので(インドネシアで不法滞在は100万ルピア(約1万円)/1日)、日本円にして約30万円を現金で今すぐ払わないと、今日のフライトは強制的にキャンセルし、明日以降の支払いになると1日に付き100万ルピア増えるから今払えと迫られることに。
でも、よく考えてみると入国時のビザが有効ではなかったなら、僕の不法滞在は60日なので30日と言うのも意味不明と理論的じゃない。
そこを指摘して60万になったら嫌だから言わなかったけど、とにかくおかしな理論でストーリーが進んでる。
周りのイミグレスタッフもケラケラ笑いながら「お前が次にインドネシアに来る時に、入国前に取って今回使えなかったそのe-VOAを使えば良いじゃん」とか言われたけど、インドネシア国内以外からの申請は使えないって言われたのに、イミグレスタッフもビザを全く理解してないような言葉を発していました。
だからこそ、不法滞在の罰金で30万円払えと言う話の筋が全く納得がいかなかったのです。
ただ、同じ話を何度もされていると頭が洗脳されてきそうになったので「ATMで下ろせる現金の上限もあるから今日は絶対に払えない」と突っぱねることに。
とにかく洗脳されず、自分だけの時間を作って冷静に考えたかったのです。
そしてフライトキャンセルと言う事でエアアジアのチェックインカウンターへイミグレスタッフと一緒に戻り、サーフボードといった受託荷物を戻すと言う事で待つことしばしば。
待ち始め当初、エアアジアのスタッフとこんな会話をしました。
スタッフ「バックパッカー?」
僕「イエス(どうでも良かった)」
スタッフ「ホリデー?」
僕「イエス」
スタッフ「ホリデーが楽しすぎてビザの延長忘れちゃったんだって?」
僕「それは違う。ビザの延長もやって、支払った請求書もメールでちゃんとあるのにイミグレが確認しないんだよ」
その後、荷物が出てくるまでしばらくあったので冷静に考える時間ができ、明日の朝一でまずは日本領事館に行こうと決め、それから出国審査で言われたビザ延長のpdfファイルを探したら、イミグレサイトの僕のアカウントの相当奥に進むと出てきた!!
これまでの到着ビザは全て「e-VOA」表記だったのに「e-ITK」だったから全く分からなかったし、外人に分からせようと言う気が一切ない。
インドネシア入国でビザが必要なのは外人だけなのに。
ちなみに、出国審査官とのやり取り時にイミグレサイトの僕のアカウントページを表示したスマホを提出したのに確認してくれなかったのかと不満が後に出ました…。
この時点ですでにフライトの出発時間だったので、全くフライトに乗れるとは思ってなかったけど、とりあえずイミグレへ再び。
すると、先ほどとは違うスタッフが出てきたのがラッキーだった。
すでにやり取りを知ってるスタッフなら、追い返されたと思うし。
そして援軍として、エアアジアのスタッフもこっちに来てくれ、事情を説明してくれる。
おそらく、イミグレの言い分よりも僕の言った事の方を信じてくれたのでしょう(後にその理由も分かりますが)。
色々と前後関係はあるものの、僕が話したエアアジアスタッフがインドネシア人なら信じてもらえなかったかもしれませんが、後の情報としてマレーシア人だったと分かったので信じてくれたのかもしれません。
そして時間をかけてイミグレスタッフが確認後、出国可能とゴーサインが出た。
ただフライトはすでに出発済みのはずで、荷物を取りにエアアジアカウンターへ戻ると、スタッフが荷物にシールを貼ってくれてる。
どうゆう事と思ってると、フライトが遅延してまだ間に合うから急いで搭乗しろとのこと。
そこで大急ぎで再度となる出国カウンターへ向かうことに。
2度目となる出国カウンターでのやり取り
すでにゴーサインは出たので余裕と思いきや、出国審査官は他の審査官を呼んだりと手間取り始めた。
すると僕に「出国はさせない」と断言したイミグレスタッフもやって来て、彼らのプライドを考えたら面倒くさいことになってきた。
そこで先ほどゴーサインを出してくれたスタッフが参戦して、時間はかかったけど何とか出国可能となることに。
僕を地獄の淵に叩き落したイミグレスタッフは、真横にいながら一切顔を向けることもなければ「悪かった」の一言もなかったけど。
ここでも時間を使ったので、ここからは猛ダッシュで保安検査場へと向かった。
インドネシア出国便への搭乗から出発まで
保安検査場はサクッとスルーし搭乗ゲートへと一目散で突き進むと、ゲートにはまだ山ほどの利用者が。
何度もフライトが遅延して、まだ搭乗すら開始してなかったんだと一息つき、そこからは歩いて向かうことに。
実は、フライトが遅延していることは何となく分かってはいたのですが。
と言うのも、エアアジアのアプリには搭乗便利用者による掲示板があり、そこで遅延情報などを利用客同士で情報シェアできるようです。
僕はそんな機能を知らなかったし、基本的にアプリの通知設定は重要なもの以外は全てオフにしています。
そして今まで掲示板の通知は一度たりともなかったのですが(何度となくエアアジアを利用していて多分オフにしていたはず)、今日はやけに届いて遅延を繰り返していると何となく感じていた。
焦っていたので、ちらっとしか目を通してなかったけど。
そして飛行機に乗り込み、その掲示板でラストとなるメッセージがマレー語で投稿され、グーグル翻訳を使って意味を確認。
「利用客全員が搭乗しました。それにしてもイミグレはイっちゃってるね」
僕の件を知ってるのはエアアジアのチェックインカウンタースタッフのみなので、同スタッフの投稿だなとすぐに気付きました。
そしてこの時、もしかしたらフライトに間に合う可能性がある事を知らせるために、僕の通知設定を同スタッフがオンにしたのかもと。
そんなことができるかどうかは分かりませんが、あり得るような気がします。
何はともあれ、エアアジアのスタッフが力を貸してくれていなかったら予定通りにクアラルンプール入りすることもなかったので感謝の気持ちでいっぱいです。
フライトは遅延しまくり、そのおかげで搭乗できたりと複雑な気持ちですが…。
ちなみに、国際線にしてフライト遅延時間は2時間超と結構長めでした。
まとめ
今回のトラブルの発端は、e-VOA延長のPDFファイルを僕がサッと提示する事ができなかったためです。
なのですが、提出書類がある場合は全て重要メールとして届くものの(入国時のe-VOAファイルなど)、延長に関するPDFファイルは高確率で送付されていません。
高確率という表現は、僕が削除した可能性が無きにしも非ずなのでそのような表現を使いましたが、僕の習性を考えるとほぼあり得ない。
つまり、システム設計時に電子データは様々な紐づけを行っていて、簡単に確認できるのでPDFファイル送付をしていないのだと想像します。
ただし、現場レベルの理解はかなり低く、だからこそ僕が自分のアカウントページを開いたスマホを審査官に渡したのに、最終的に僕が見つけたビザ延長PDFファイルのページを確認できなかったほどなので。
何はともあれ、僕はあくまでも正当な手順を踏んだ外国人にもかかわらず、ちょっと調べればすぐに分かる事実確認を怠り、日本円にして30万円近い罰金と出国禁止を命じてきたイミグレスタッフ。
こんな現実はネット時代以前のものだと思っていましたが、今なお存在していました。
ここまで程度の低いことはなかなか無いとは思いますが、「こいつ運が悪かったな」程度に記憶に留めておけば、何かあった際には気持ちの面で役立つかもしれないので参考にして見て下さい。